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翻訳生活レポート--ケモノ道--駆け出し翻訳者のMONです。夫、子供あり。ここでは、翻訳や日常生活に まつわる体験レポートやコラムなどを掲載します。みなさまの寄稿もお待ちし ています。 ★ケモノがいる暮らし★【主婦のお勉強場所】かわいい(笑)主婦だったと思います。居間のテーブルが唯一の勉強場所。翻訳学校から送られてくる教材と英語の辞書、プラスαが道具のすべてだったので、場所だってこれで十分。夫が帰ってきた気配を感じると、さっとまとめて専用の本棚へ。今まで勉強していたという形跡さえ残さずにお迎えに出ていたものです。夫が出張の時だけ、夫のデスクを拝借しました。「こんなデスクを自分専用に所有して、朝から晩まで翻訳のお仕事をしていたいなぁ」と思いながら、通信講座の課題に取り組みました。たまに徹夜になり、窓の外が白んで来るのを感じつつ訳文を封筒に詰めるのは、なかなか良い気分でした。 子供が産まれると、添い寝をしながら、おっぱいをあげながら、時にはおんぶしたまま、床で遊ばせながら、本を読んだり課題をやることが多くなりました。この時期、勉強場所は定位置におさまることはなかったと思います。自由がきかない時期だったので、「自分がいく場所すべてが勉強場所」と思えばストレスにもならず、とても都合が良かったのでした。そのかわり、作業時間も細切れだったのは言うまでもありません。 子供のお昼寝が定着すると、昼間は夫のデスクで、夜は居間のテーブルでするのが普通になったのですが、しだいに図々しさを増した妻は、夫にねだりまくりの強行に出ました。「ねーえ、机が欲しいなぁ」「子供に道具を荒らされるしい」「ねえねえ」。そのかいあってか(?)夫が知人からパソコンラックを譲り受けるという幸運があり、欲しかった立派なデスクがついに私のものになりました。そのついでに夫がパソコン購入したために、ワープロも私の手元に。自分のものになった机の前で翻訳の課題をやる。手書きだった課題をワープロ打ちに切り替える。こうなると、翻訳者気分です。翻訳の仕事をする生活を頭にイメージするようになりました。形から入るのもいいものなのかもしれません。これに続いてパソコンを入手したため、納品のためにとパソコン通信を始め、辞書や書籍も買い揃えにかかりました。大きなものと違い、書籍だけは微妙なやりくりで購入が可能で した。翻訳のためのお道具が増え始めたのはこの頃です。 子供が少し大きくなった後に、机ではなく、折り畳み式のテーブルを利用した時期があります。私のノートパソコンと数冊の辞書、翻訳の教材を置いても、場所が目一杯あくほどの大きさのテーブルでした。ここに鉛筆、クレヨン、ハサミ、折り紙、ノリ、セロテープ、ノートに紙と、文房具をあれこれ配備し、私の目の前で子供が遊べるようにしました。塗り絵をしてもよし、本を読んでもよし。机に向かう時間が長くなってきたころなので、形だけでも子供と向かいあえるこの配置はうまく行ったと思います。 いよいよ仕事を始めるようになると、パソコンラックが作業場所になりました。本棚も1つから3つに増え、ファックスつき電話、自分専用のプリンタを周囲に配置。居間の一角に置いた仕事スペースは、どんどんモノが増えて、居間の中央に向かって増殖中。今はすっかり散らかったまま「おかえりー!」とお迎えする妻になってしまいました。次に欲しいのは、専用の仕事部屋。事務所のような作業場を持つのが夢です。 ★お仕事体験レポート★【初仕事でW】夢に見た翻訳会社への初登録は2社でした。初仕事がそうそうすぐに来るはずもなく、毎日首を長〜くして電話の前にいました。待ちに待った初仕事はB社から。少し分野がずれているけれど、人が足りないので手伝って欲しいとの注文でした。最初から希望分野の仕事がばしばし来るとも思えないし、辞書はそれなりにそろえてあったので、嬉々としてお引き受けしました。ファックスで原稿をうけとり、きちんとまとめて机に置くと、顔がほころんでしまいます。さーて!と腕まくりをしていると、なんとそこにA社から電話が来たのです。初注文の依頼でした。内容を聞くと、これぞまさにやりたかった分野。でも、すでに電話口でウレシイ声を上げながら受諾の返事をしたB社にお断りを入れる勇気はありません。幸い量的には膨大ではなく、計画をきっちり立てれば、調べものをする時間 を入れても「できる!」と考え、やる決心をしました。締め切りは1日違い。「向こう1週間の家事はやらない」「1時間め○社、2時間め○社というような時間割制で仕事をする」「締め切りが早いほうは全体を早めに仕上げてじっくりと見直す、遅いほうは一区切りごとに見直しをする」という計画をたて、作業に取りかかりました。この方法でとばっちりを受けたのは家族です。でも、快い協力のもと、睡眠時間を極力セーブしつつ、初めてにしてダブルになってしまった仕事はきっちりと納品することができました。 その後、決して注文は頻繁じゃないのに、この2社の仕事はうまい具合に重なるようになってしまいました。B社からの仕事が来たので、「A社の電話もあるかも?」・・・と思うと、本当に来てしまう。やはり分野はA社の方が自分の希望のものに近いというパターン。だからと言って、毎回そのジンクスめいたものを信じてB社を断ると、はずれるような気がしてしまう。それにB社の仕事も楽しい。そうやっていると、仕事中は悪夢のような忙しさで、1年目は虫の息でした。 その後B社に分野をしぼりたいと申し出たため、依頼が減って、このジンクスはなくなりましたが、初仕事から始まった1年目のバタバタで、結構タフになったような気がします。 ★おまけのHoliday★【かわいそうな菜の花?】お仕事の手があいた秋の休日、庭にタネを蒔きました。冬を越せる菜の花、デージー、アイルランドポピー、カモミールなどなど。そのうち菜の花は、成長のはやいの5本ほどがたった1日で!芽を出して2日で双葉が開きました。「うわあ、菜の花って凄い」と痛く感激。とても嬉しかったので子供に見せたところ、長女曰く「ああ、そこにおしろい花の種まいといたんだ」。がぁん。そうか、やっぱり1日じゃ芽が出ないのね。 でも、せっかく生えてきたおしろい花。遅れて一斉に芽を出したホンモノの菜の花と一緒に大事に水をやっていました。何日かたって、末っ子に「雑草抜いておいたからね」と言われました。見ると、無惨にもおしろい花が全部、抜かれて土に横たわっています。がぁぁん。慌てて土に刺し、復活を試みました。 ショックのあまり、夫を連れてきて、ほれほれと見せてみたら、「なあ、これ、アサガオだろぉ」「はあ〜?」。・・・しばらくお庭を触ったことがないとはいえ、理科でも観察したはずのアサガオがわからなかったのでした。 菜の花と、いえ、おしろい花と、いえ、雑草と間違えられたかわいそうなアサガオは、いつのまにかぐったりとしてしなびて行き、結局全滅してしまいました。そもそもアサガオって冬を越せるお花だったんでしょうか? アサガオのタネを蒔いた犯人(?)は今もわかってません。 |
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