今日はいつにも増して私的なお話になりますが、よければお付き合いください。

　３年半前に北海道から越してきた神奈川を離れ、また北海道に帰ることになりました。夫の転勤のためです。ようやく気候にも慣れてきた矢先、憧れの関東(東京〜)を離れるのは寂しいです。それにしても、赴任先の候補地は全国各地にあったはずなのに、初めて通信講座のテキストを手にしたまちに戻るというのも何かのご縁(^^;)。初心にかえって、頑張ろう！と思っています。

　関東に来た時は、勉強真っ盛りで、トライアルも途切れ途切れにいくつか受けてみた後でした。翻訳学校のスクーリングを兼ねて、翻訳フォーラムのオフ会に出席し、東京に来たい願望がピークになったときに、念願がかなうように夫の赴任先が神奈川に決まったんです。人見知りな性格(ほんとです！！)のため転勤／引っ越しが大の苦手だったのに、今回は「翻訳」「翻訳フォーラム」というキーワードがあったため、ワクワクしながらのお引越しとなりました。

　関東への引越しの時には、バタバタと荷物を送り出し、厚木のホテルで運送屋さんの到着を待ちながら、「関東ではきっと翻訳の仕事を始めてやるぞー！」と意気込んでいました。とにかく荷物の搬入を終え、ＮＴＴの工事が完了して、知人に電話番号の連絡をし、必要なことはほとんどＯＫだわと思っているところに、電話が鳴りました。新居への電話第１号は誰かしらと出てみると、聞いたこともないカタカナ文字の社名。ご挨拶も「語学系」という感じなので、ああ、さっそく英会話の勧誘かしらとややそっけない応対をしていましたら、なんと引越し前に応募した翻訳会社らしいのです。所属の機関(母校の翻訳学校)を通じて応募したために名称を聞いていなかった翻訳会社が、その機関から番号を聞いて電話を下さったのでした。引越し２日目に初登録･･･と、なんともびっくりなスタートとなりましたが、ここからの初仕事の原稿は間違って北海道の旧住所へ行ってしまいました。今回のお引越しの連絡の時には、「北海道といえば、原稿のあて先間違いのアレがありましたよねえ」と、笑いながら言ってらっしゃいましたけれど、実は電話の件とこのトラブルがもとで、「ああ、ここの会社は地方在住でもＯＫなんだなあ」と思ってほっとしたものでした。

　ところで、つい先日、急用ができて、珍しく、お仕事関係の方とお会いすることになりました。時間のロスを考えて、「今からお宅まで行きます」と言ってくださったのですが、部屋を見まわして唸ってしまいました。なにせその日の我が家は、引越し開始後で色んなものをひっくり返した状態であるばかりか、家中に焚いたばかりの強力なバルサンのせいで、弱ったゴ○○○が、どこからともなくヨロヨロ出て来るのに何度か遭遇していた時だったんです。これが落ちつくまでは人を入れるわけにいかない！！･･･というわけで、駅前での打ち合わせになってしまいました。

　うちが散らかっているのはともかくとして、これからは、こんなふうに直に会って急な用を足すとか、ご挨拶に行くというような機会も減るんだなあと思いました。でも、そもそも関東にいるうちはさっぱりご挨拶もしなかったというのが本当のところです。時々ご挨拶に行くに越したことはないなあ、たまには上京しよう！と思っているのも確かですが、たとえ会えなくても仕事ができるのが在宅翻訳のいいところなのですね。周囲には、地方にいながら、関東方面の会社とおつきいを続けている方は大勢いらっしゃるから、よけいに引っ越す不安も少なく、あらためてパソコン通信で出会った方たちの存在を頼もしく思います。これからは環境面を整えて、デメリットもカバーして行かなくては。やや不調だったファックスも、この機会に普通紙のものに買い換えました(ああ、早く使いたい！)。

　そんなわけで、現在引越し準備が進行中です。実は、準備をはじめるなり、日頃の座ってばかりの生活がたたってか、腰を痛めてしまいました。ちょっと家具を動かしたり、粗大ゴミを車に積んだくらいなのに、情けない。やっと動けるようになってきたので、これから大急ぎで、家の荷物のほかに、大量の辞書や本、機材類を箱に詰めて行く予定です。さて、現在居間で仕事をしている私は、次は自分の仕事部屋が手に入るんでしょうか？　不動産屋さんから流れてくる物件の間取りを見ながら、夫ともめているところです。

　また引越し先からレポートしますので、次号もどうぞよろしくお願いします。