この「講座」は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて連載されているものを、著作者の許可を得てウェブ上に転載したものです。

この「講座」内容に関連する質疑応答は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて受け付けております。

講座内容についてのご質問がある方は、どうぞ、上記会議室においでください。

5.3 年金・健康保険

★年金・健康保険の種類

日本は国民皆保険の国です。国民すべてが、健康保険と最低限の年金に加入しなければならないことになっています。

年金・健康保険は、大きく2つに分けられます。いわゆる厚生年金・社会保険(公務員などの場合は共済と呼ばれる)と国民年金・国民健康保険です。厚生年金・社会保険は厚い保障が得られるかわりに掛け金は高めです。特に厚生年金の掛け金は、かなり多額になります。一方、国民年金・国民健康保険は保険金は比較的低く抑えられていますが、将来の年金額や病院窓口での個人負担割合が高いなど、保障は低めとなっています。

すべての法人と常時5人以上を雇用する個人事業主は、厚生年金・社会保険への加入が義務づけられています。つまり、会社に勤めている人は原則、厚生年金・社会保険に、そして自営業者自身または小規模自営業者に雇用されている人は国民年金・国民健康保険に加入するわけです。ただし、加入が義務づけられているにもかかわらず、零細企業や中小企業のなかには厚生年金・社会保険に加入していないところもあります。そのようなところに勤めている場合は、国民年金・国民健康保険に加入することになります。

なお、年金や保険の掛け金は、個人負担は半分くらいで、残りは、雇用者(厚生年金・社会保険)または国(国民年金・国民健康保険)が負担します。掛け金は、各年金・健康保険について定められた式により算出されます。基本的には、収入が多い方が掛け金も多くなります。

★二足の草鞋が加入しなければならない年金・健康保険

二足の草鞋ならば、一足目で厚生年金・社会保険に加入しているはずです。厚生年金・社会保険に加入していない中小企業や小規模自営業者に雇用されている場合は、すでに国民年金・国民健康保険に加入していることでしょう。いずれにしても、二足の草鞋となったことで、新しく加入したり加入している年金・健康保険の種類を変更したりする必要はありません。

厚生年金・社会保険に加入している場合は、給与をベースとして算出された掛け金そのままとなります。給与以外の収入が何百万あろうと、その部分に対して年金・健康保険の掛け金負担が発生することはありません。同じ保障を得ながら、所得に対する年金・健康保険の掛け金負担割合は低下することになります。ここは制度上のブラックホールであり、二足の草鞋のおいしい部分といえるでしょう。

一方、国民年金・国民健康保険は、掛け金が所得をベースに算出されます。ですから、翻訳収入があると翌年の掛け金が上昇します。これは、制度として当然のことですから、しかたないですね。

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