この「講座」は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて連載されているものを、著作者の許可を得てウェブ上に転載したものです。

この「講座」内容に関連する質疑応答は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて受け付けております。

講座内容についてのご質問がある方は、どうぞ、上記会議室においでください。

5.1 人脈

まずは人脈です。

何をするにも、人脈は大事ですね。ある意味、人脈は最大、最高の財産である、とも言えます。

翻訳関係でいえば、人と人のつながりで新しい仕事がくることがあります。分からないことがあったときに教えてもらえる人、自分の仕事があふれた時に助けてもらえる人……多くの人と知り合い、親しくなっておけばいろいろといいことがあります。

問題は、人脈はお店で買えないってことです。いろいろなことに積極的に参加、それも、その他大勢の聞き手としてではなく、積極的に発言・行動し、人に貢献もしていかないと手に入りません。でも、二足の草鞋では、下手に露出すると二足が会社にばれてしまいます。

★翻訳関係の人脈の広げ方

ひとつの回答は、この翻訳フォーラムのようにハンドルによる参加を認めているところです。ハンドルなら、会社員としての顔と違う顔を持つことができます。(フォーラムなどの利用にあたっての注意点は、『2.1 会社との関係』の『4. 翻訳関係では、実名を極力出さない』の項を参考にしてください)

こういったフォーラムなどは、読むだけでも情報収集が可能です。でも、それでは人脈は手に入りません。通信の世界といえど、相手も人間です。ふだんからやりとりをしている人かどうかで、距離感は大きく異なります。バーチャルな世界でふだんからやりとりしているからこそ、オフなどで実際に会ったときに微妙な問題も相談できたり、答えてもらえたりするものなのです。

性格的な向き不向きや時間がとれるかどうかという問題もありますから、誰でもできるというものではないかもしれませんが……私自身は、隙間隙間の5分、10分の活用で大きく人脈を広げることができました。

★一足目の人脈

しばらく二足の草鞋を履いたら独立しようと考えている人は、一足目の人脈も大事にしましょう。どうせやめるんだから、と適当にお茶を濁すようなことをしたり、人脈を広げる努力をやめたりするのは、とってももったいないことです。

一生懸命仕事をしておけば、一足目をやめた後、「あの人が仕事をやめて独立したのなら、仕事を紹介してあげようか」と言ってもらえることもあります。中途半端な仕事をしていると、「あ、あの人やめたの。ふ〜ん」で終わってしまうものです。

自分の翻訳の中心専門分野は、やっぱり、一足目の仕事と関係がある分野であることが多いと思います。ということは、一足目の人脈は、独立後の自分の仕事を生み出してくれる可能性がある、ということです。たとえ分野が違う場合でも、どこがどうつながるか分かりません。せっかく、現在、相当な時間を一足目に費やしているのですから、無駄にしたくはないものです。

前のページ 次のページ

「二足の草鞋」目次トップページに戻る