この「講座」は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて連載されているものを、著作者の許可を得てウェブ上に転載したものです。

この「講座」内容に関連する質疑応答は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて受け付けております。

講座内容についてのご質問がある方は、どうぞ、上記会議室においでください。

4.1 設備機器

まずは、いわゆるハードの検討を行います。

具体的な検討に入る前に、機材購入にかかる費用を考えてみましょう。

もちろん、売上げをなるべく増やして、出費はなるべく減らすのが、自分自身の収入を増やす方法です。でも、必要な機材がなければ、能率が悪かったり、最悪、受注自体ができない可能性もあります。

じゃ、どれくらいの費用をかければいいのか... これはもう、ケースバイケースです。一番のポイントは、どのくらい稼げるのか、でしょうね。でもってホントのところは、機材を揃えてみないと分からない... けっこう、catch 22だったりします。ま、最初は最低限のレベルで揃えて、稼ぎを見ながら、次第にいいものに買い換えていくしかないでしょう。

この後の私の文章では、「理想的」な話を展開しますから、自分にとってどこが一番重要なのかを取捨選択して、優先順位の低い機能はばっさり切り捨てることが必要かもしれません。あの機能もこの機能も持った機種、とか欲張ると、メチャクチャ高いものになったりしますよ。

一応、仕事を始めるにあたり揃えるべき最低限の目安は...

というところでしょうか。

なお、このような機材は、一定額以上の場合(1999年現在は、10万円がそのボーダーです)、減価償却という形で経費に算入していきます。ものすごくおおざっぱな話をすると、パソコンなどは耐用年数が6年ということになっていますから、購入価格の1/6くらいずつを毎年の経費として計上していくことになるわけです。(定率法で償却することが多く、その場合、最初ほど償却額が高くなります。くわしくは、経理関係の書籍を参考にしてください)

ともかく、きちんと稼いでいれば、遅かれ早かれ経費にはなるので、その辺りも考えて購入予算を考えるべきです。

翻訳の仕事に必要な機材は、支払う税金の額まで含めて考えれば、割引で買えるのと同じです。たとえば、一足目で400万とか500万の給与収入がある人だと、二足目の稼ぎについて、所得税と住民税で少なくとも20%の税金を払わなければなりません。一足目がもう少し多いとか、二足目が200万も稼ぐとかいうような場合、たぶん、30%の税金を払わなければならないでしょう。機材を買って必要経費を計上すれば、この税金が少なくなる... 言い換えると、20%引きとか30%引きで機材を買うのに等しいわけです。だからといって、不必要に高機能、高額な機材を買わないように。なんにしても、出費が少ない方が手元に残るお金は多いんだから...

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