この「講座」は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて連載されているものを、著作者の許可を得てウェブ上に転載したものです。

この「講座」内容に関連する質疑応答は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて受け付けております。

講座内容についてのご質問がある方は、どうぞ、上記会議室においでください。

3.8 仕事の断り方

「断る勇気を持ちましょう」と繰り返し書いていますが、これに付け加えて一言

「できません」の一言で断らないこと!

後につながる断り方を工夫しましょう。

まず、「申し訳ありませんが〜……」といった言葉は必須です。あなたが断れば、コーディネーターは次の人に電話しなきゃなりません。それが仕事なんだといえばそのとおりなんですが、そこはそれ、人間がやることですから。

打診された仕事が分野違いなら、「これこれこういう分野が専門です。今回のお話は分野が違いすぎて難しいと思います」とでもするべきでしょう。量が多すぎる場合も、「このくらいの量であれば可能です。分割はできませんか?」とか、「納期をいついつにしてもらえれば可能ですが...」という具合にした方がいいでしょう。

要は、「やる気がある」ことと「こういう条件ならできる」ということをアピールしておくことです。

コーディネーターも人の子です。断られても、なんかいい感じの人だった、と思えば、また、声をかけてくれることでしょう。ただし、いったん受注して訳文を納品すれば、品質が一番の問題になります。いいものを納品しましょうね。

場合によっては、連絡がうまくできないでいるうちに他の翻訳者に仕事が行ってしまったり、結局ジョブ自体がなくなってしまったりすることもあります。特に二足の草鞋の場合、連絡がうまくいかないことがどうしても多くなりがちです。(連絡方法の工夫は、「電話やFAXなど」の項目で取り扱う予定です)

こういう場合も、後のフォローが大事です。

まず、連絡がとれなかったことを謝るとともに、こういうふうにすれば、自分にすぐに連絡できる、ということを伝え、次回からは、その方法で連絡してくれるよう、頼むことが大事だと思います。登録時などにお願いした方法で連絡してくれなかったから連絡が取れなかったのだとしても、あくまで低姿勢で。特殊な連絡形態という例外処理をしてもらわなければならないのは、二足であるあなたの事情なのですから。

また、せっかく電話で話をするのですから、得意分野などのアピールもさりげなく付け加えておければ最高ですね。ただし、相手の様子しだいで、臨機応変に。もし、先方がメチャメチャ忙しい状態なら、要点だけでさっと切り上げた方が印象はいいはずです。電話の向こうから伝わってくる気配に注意しましょう。

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