この「講座」は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて連載されているものを、著作者の許可を得てウェブ上に転載したものです。

この「講座」内容に関連する質疑応答は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて受け付けております。

講座内容についてのご質問がある方は、どうぞ、上記会議室においでください。

3.4 アプローチの仕方

アタックする翻訳会社が決まったら、まず、必要書類を揃えます。

以下の書類をセットにして、翻訳会社に提出することが多いようです。

私としては、これに自己アピールを付け加えることをお勧めします。

★履歴書

市販の履歴書でも構いませんが、自分で自由なフォーマットで作成しても構いません。私自身は、市販の履歴書は、翻訳に関係ありそうな事柄がかける欄が少なく、無関係な欄が多いと思うので使っていません。例えば、顔写真なんて不要だと思いませんか? 顔が不細工だって、いい訳文作れりゃぁ文句ねぇだろうがぁ(ゼイゼイ)……ととと、取り乱してしまいました……失礼しましたm(._.)m  え〜、逆に、どのパソコン・ハードやOSを使っているか、ニフティやインターネットのアカウントは持っているかなどといった、必要不可欠な情報を書く欄は、普通の履歴書にはありませんよね。

そうはいっても、普通の履歴書が参考になることも事実です。市販の履歴書などを見ながら、要らないモノは省き、自己PRになりそうな項目は追加しましょう。どういう項目が必要となるか見当がつかない、という人は、翻訳フォーラム、アドバンスメント館( FTRAN2 )第15会議室の翻訳者データベースで使用しているフォーマットを参考にしてください。( nifty:FTRAN1/MES/15/252 ) これに、住所・氏名、連絡先、学歴・職歴くらいを書き足せば、十分でしょう。

なお、二足の場合、どうやって連絡してもらうかを明記した方がいいと思います。自宅に電話されても、自分は会社ですから連絡が取れませんし、会社にかけてもらうわけにも行きませんから。これについては、後ほど、電話、FAXなどに関する項目で取り上げます。

★職務経歴書>

これは、翻訳者としての実績をアピールするものです。下訳でも構いません。多少でも仕事をしたことがあれば、この職務経歴書も作って提出しましょう。

こちらについては、翻訳フォーラム、エントリー館( FTRAN1 )データライブラリ#5にあるSHOKUMU.LZHというログ傑作選(発言者:笑う猫さん)を参照してください。

職務経歴書に書ける内容がまったくないという人もいるでしょう。そういう場合は、下記の自己アピールで「実績はないけど、この分野はできるぞ」とアピールしてください。

★翻訳サンプル

これも、極力添付した方がいいでしょう。提出書類として要求する翻訳会社も多いですよ。

サンプルの出来がよければ、トライアル(後述)なしで登録になることもあります。でも、基本的には、サンプルの出来がどうであれ、トライアルがあります。同じ原文の訳文で比較しないと評価しにくいですから、まあ、当然といえば当然なんですが……こういう会社が翻訳サンプルを要求する場合は、トライアル前に足切りをしようということなのかもしれませんね。トライアルって、課す側でもけっこう手間暇かかりますから。

サンプルとしては、よく、「課題や過去の仕事」ということがいわれます。しかし、過去の仕事は守秘義務上の問題が発生することがありますから、注意が必要です。また、課題などであっても、著作権上の問題が発生することがありますから、こちらも注意が必要です。この辺りに気を使う人の場合、インターネットサイトで自分に適した内容とレベルの文章を探し、そのサイトの管理者に、「翻訳サンプルとして使用したい。それ以外には使用しない。許可して欲しい」と申し入れて使う人もいるそうです。

★自己アピール

「仕事や趣味でこういうことをしてきた。だから、こういう分野やこういう内容については、知識が豊富である」といった自己アピールを、自由なフォーマットで書いて提出するのもいいと思います。私が採用する側だったら、ここは重点的にチェックしますよ(^^)

この自己アピールの作成にあたっても、前記の翻訳者データベースに登録されているデータを見てみたらいかがでしょうか。「こんなアピールされたら、仕事を頼んでみようかな、と思うだろうなぁ」というデータもあれば、そっけないもの、遠慮がちなもの、いろいろとありますよ。登録データは、会議室で登録中のデータを見るか、データライブラリの#8に登録されている正式版をダウンロードしてみてください。

★書類作成上の注意

書類作成時には、以下の点に注意する必要があると思います。

採用側は、提出書類から採用に関する評価を始めることをお忘れなく。自分の言葉で書いた文章が読みにくい人に、読みやすい翻訳文が作れるわけがありません。「誰に読ませる」、「何が目的の」文書であるのか考えて書けない人に、翻訳の際に、その文書を作った人が誰を想定して書いたのか特定し、その対象や目的にあった訳文を作れるわけがありません。

ここまで明確に意識していなくても、採用する側が「読みにくい、知りたい情報がない、不明確、分かりにくい」などと感じれば、評価は一段、下がるものです。

「採用する側は忙しい」という点について、ちょっと補足します。

必要な情報とどうしても読んで欲しい情報は、最初の1枚に入れておくべきです。忙しい採用担当者は、1枚目だけ流し読みして、これは、という人だけ、2枚目、3枚目まで目を通すこともあるからです。

「採用担当者なんだから、キチンと読め〜!」と言いたい気持ちは分かりますが、現実は、こんなもんです。だって、採用担当者は、他の業務(こっちがその担当者の中心職務)をこなしながら、採用「も」行うのが普通だからです。

ただし、詰め込みすぎて読みにくくならないように気をつけましょうね。情報を厳選することが重要ってことです。

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