この「講座」は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて連載されているものを、著作者の許可を得てウェブ上に転載したものです。

この「講座」内容に関連する質疑応答は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて受け付けております。

講座内容についてのご質問がある方は、どうぞ、上記会議室においでください。

3.3 翻訳の仕事の探し方

翻訳の仕事は、どこでどうやって探したらいいでしょうか。

★受注形式

翻訳ジョブを受注する形式としては、以下のような形が考えられます。

二足の草鞋、特に仕事を始めたばかりであれば、翻訳会社経由を中心に考えた方が無難でしょう。

翻訳会社経由とクライアント直接受注を比較すると、翻訳会社経由の方がレートは安くなります。これは、翻訳会社で営業費用などが発生するため、仕方のないことです。しかし、営業をする必要がない、納期などの問題で受けられなくても問題が発生しない、など、翻訳会社経由にもいろいろいとメリットがあります。逆にクライアント直だと、レートは高いけれども断りにくく、無理せざるをえないことも多くなります。第一、二足の草鞋では、営業をしている暇がありません。

★翻訳会社へのアプローチ

まず、どこにどういう翻訳会社があるのかを知る必要があります。一番簡単なのは、翻訳会社のリストが添付されている翻訳関係のムック本です。こういった本は、バベルやアルクなどから、全部で年に何冊か発行されています。また、電話帳や、「翻訳の世界」や「通訳翻訳ジャーナル」といった雑誌の広告ページという方法もあります。

特集記事に添付されている翻訳会社のリストには、普通、会社の所在地や連絡先に加えて、取扱言語や取扱分野などが載っています。まずは、自分が専門にしようとしている分野が載っている翻訳会社をリストアップしてみましょう。翻訳会社にも得意不得意がありますから、自分の分野を得意としている翻訳会社を探素必要があります。

このようなリストにはまた、登録翻訳者の募集情報も記載されているのが普通です。さきほどリストアップした会社の中に、募集があり、かつ、自分がその募集条件を満たしている会社があれば、まず、そこから当たるのがスジでしょう。

募集条件には、駆け出しにはなかなかつらい条件である、「経験x年以上」という項目が入っていることがよくあります。駆け出しだから応募できない、応募できないから登録できない、登録できないから経験が積めない、という、典型的なcatch-22です。でも、よく見てみれば、「未経験可」というところもあったりします。また、翻訳者としての実績はなくとも、その分野の仕事を一足目で長くやっている場合などは、募集条件からはずれていても受け付けてくれることもあります。翻訳会社は、デキる翻訳者が欲しいわけですから。「募集なし」となっていても、必ずしもあきらめる必要はありません。要は、可能性の高そうなところから当たり始めて、絨毯爆撃をしていけばいいわけです。

また、インターネット上にホームページを開設している翻訳会社は、翻訳者の募集情報もホームページに載せていることがあります。ネットサーフィンのついでに、チェックしてみるのもいいかも知れません。

★その他のアプローチ法

ここ翻訳フォーラムには、アドバンスメント館の第15会議室に、「翻訳者データベース」が設置されています。ここに登録しておけば、翻訳会社やクライアントから、メールでアプローチされることがあります。私自身も、そういう経緯で2社ほど、登録しました(アプローチはされたけれど、お断りした先もあります)。

ニフティ内では、他に、「在宅ワーキングフォーラム(FWORK)」にも、個人の求職情報が掲載できる会議室が設けられています。FWORKの会議室をのぞくと、翻訳フォーラムでも見かける名前が見つかることがありますよ。みんな、いろいろな経路で仕事をとろうと努力しているわけです。

ところで、翻訳フォーラムの翻訳者データベースでも、在宅ワーキングフォーラムの会議室でも、それぞれ、登録にあたっての注意点が掲載されていますから、これをよく読んだ上で、利用してください。ニフティの規約上、@nifty上でいわゆる「営業行為」を行うことは禁止されています。この営業行為とみなされない、ギリギリの限界で開設、運営されている会議室ですから、利用にあたっても細心の注意を払うようにしてください。

他にも、海外の翻訳会社などのリストを提供する、Glenn's Guideなどもありますが、詳細は割愛します。二足の草鞋では、最初からあまり手を広げるのも考え物だと思いますから。まずは、日本の翻訳会社との取り引きで、十分な力を蓄え、ノウハウを蓄積することが先決でしょう。

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