この「講座」は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて連載されているものを、著作者の許可を得てウェブ上に転載したものです。

この「講座」内容に関連する質疑応答は、@nifty「翻訳フォーラム・アドバンスメント館(FTRAN2)」の第13会議室「翻訳JOB応援会議室」にて受け付けております。

講座内容についてのご質問がある方は、どうぞ、上記会議室においでください。

2.2 私生活との関係

私生活との関係は、現状や将来設計によって、大きく異なるでしょう。

独身か既婚か、子どもがいるかいないかなどによって、自分の自由になる時間の総量は驚くほど違います。配偶者や子どもがいる状態では、翻訳をすると、それ以外の自分の時間がほとんどなくなってしまう可能性もあります。独身の人だって、時間が不足して、睡眠時間を削らなければならなくなることだってあり得ます。

毎日寝不足していては、一足目に差し支えます。リラックスする時間がなければイライラし、ストレスが溜まります。頭脳労働である翻訳には、てきめんに悪影響が出ます。最初は副収入を喜んでくれた配偶者も、自分と過ごす時間がなくなった、と不満を募らせるかも知れませんよね。

「無理は長続きしない」……これに尽きると思います。

私も一時期、自分の時間の切り売りをしているだけのような気がして、翻訳をやめようと思ったことがあります。最終的には、仕事のやり方を工夫し、「週末はやらない、家ではやらない」を原則としたおかげで、やめずに続けることになりました。

どういう時間を使って、どのようにやるのがいいかは、個人個人で大きく異なると思いますから、自分に合った方法は自分で見つけるしかないと思います。ただ、この辺りのヒントになりそうなことは、後でまた取り上げる予定にしています。

一方、将来設計として、翻訳者として独立しよう、と考えているのであれば、しばらくは歯を食いしばって続けるという選択肢も、もちろんあります。ただ、無理は長続きしませんから、ほどほどに……体をこわしてしまったら、元も子もありませんよ。

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